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成犬が噛む原因
犬のしつけのなかで、噛み癖に悩む飼い主さんは非常に多いです。
犬は人間と違い手を器用に使うことができませんので、口を使って様々な意思表示をします。
「噛む」というのは、犬の本来持っている自然な行動なのです。
ただ、人間と暮らしていく以上は噛み癖を放っておくわけにはいきません。
成犬が噛む場合は、多くの場合子犬の頃の噛み癖を放っておいた結果と言えます。
これは犬が悪い訳ではなく、子犬のうちにきちんとしつけをしていなかった飼い主さんの方に問題があるということです。
成犬が噛む根本的な原因は、
・子犬期の社会化不足
・飼い主さんとの主従関係ができていない
ということが大半を占めています。
成犬の噛み癖をしつけで直す前に、飼い主さんが愛犬との接し方を見直してみてください。
成犬が噛むのはどんなときか
成犬が噛むときには、
・遊びで噛む(甘噛み)
・本気噛み
の2通りがあります。
甘噛みは、遊んで欲しい時や暇な時に出ることが多いです。
これは問題行動ではなく、噛む強さや噛んで良いものといけないものを分からせることで解決できます。
本気噛みの原因には恐怖、警戒心、威嚇、自己防衛などの様々な原因が考えられます。
例えば、特定の人に対して噛むのであればその人に嫌なことをされて恐怖を感じている可能性もあります。
体を触られるのが嫌いな犬なら、触られたことに対して威嚇しているのかもしれません。
前述したように噛み癖の原因は、子犬期の社会化不足と飼い主さんとの主従関係ができていないことが大半です。
子犬のころから色々な人や他の犬などに慣れさせ、人間の生活環境における色々な音や物に慣れさせておけば、このような噛み癖防げるはずです。
体を触られるのを嫌がらないように慣れさせておくことは、病院の診察時や爪切りや耳掃除などの普段のお手入れの時にも役立ちます。
もちろん、成犬になるまでにきちんと飼い主さんとの主従関係を築いておくことも忘れてはいけません。
成犬の甘噛みのしつけについて
成犬の甘噛みでよくあるのは、差し出した手を噛んでしまうということです。
犬にとって人間の手は遊んでくれる相手です。
人が手を差し出したら、「遊んでくれるんだ」と嬉しくなって噛んでしまうことがあります。
子犬のうちはそれほど力が強くないため、ついつい放っておきがちです。
その結果、成犬になって力が強くなってからしつけに苦労するのです。
成犬になっても甘噛みのしつけをすることはできますが、子犬の時よりは時間がかかることを覚悟しておきましょう。
甘噛みのしつけは、
・人の手は噛んではいけない
・人の手を噛んでも遊んでもらえない
ということを徹底的に覚えさせます。
犬のしつけでは大抵は「褒める」ことが基本になりますが、「噛む」ということに関するしつけでは、「罰」を与える方が効果的だとされています。
罰と言っても苦痛を与えるわけではなく、犬を大きな声や音、嫌な臭いや味などで驚かせることで噛むという行動を中断させるのが目的です。
例えば、犬が噛んできたら「痛い」と大きな声を出して驚かせることで口を外させます。
その後、犬と遊ぶのをやめて犬を無視します。
犬は遊んで欲しいわけですから、「手を噛むと遊んでもらえない」ということをだんだんと覚え、次第に噛まなくなっていきます。
大きな声を出す以外にも、犬の嫌いな音を出したり大きな音のするスプレーなども効果があります。
犬によってそれぞれ効果のあるしつけ方法が違いますので、愛犬に合った方法を探してみてください。
犬と遊ぶ時には、大きめのオモチャやタオルの引っ張り合いなどをすると良いです。
小さなオモチャだと人の手までの距離が短く、間違って噛んでしまいがちです。
大きめのオモチャをたくさん噛ませてあげて、噛みたいという欲求も満たしてあげましょう。
成犬の本気噛みのしつけについて
犬の本気噛みは、1歳以降の成犬になってしまうとしつけで直すことが非常に難しくなります。
噛み癖のしつけはプロでも苦戦しますし、改善できたとしても何ヶ月もの長い期間が必要になるのが普通です。
それでも、根気よくきちんとしつけをすれば直せるケースも多いです。
噛み癖のしつけは早ければ早いほど効果があります。
放っておくと他人に危害を加えてしまうかもしれませんので、なるべく早くプロの訓練士さんなどに相談しましょう。
家でまずやるべきことは、犬が「いつから」「どんなことで」噛むようになったかを考えることです。
犬は理由もなく噛むことはありません。
本気で噛むようになったのは、必ず何かのきっかけがあるはずです。
原因が分からなければ噛み癖は直すことができませんので、家族全員でしっかりと話し合ってください。
それから、それまで犬を甘やかしてあまりしつけをしてこなかった場合は、気持ちを入れ替えて一からしつけ直すくらいの気持ちで犬と接することが必要です。
日頃から必ず、飼い主さんがリーダーで犬よりも立場が上だという態度で接してください。
飼い主さんは犬の遊び相手ではなく、リーダーとして犬に指示を出す存在でいるようにしましょう。
成犬が噛むときは早めの対処を
成犬が噛むのを止めさせるには、少しでも早く対処することが必要です。
特に本気噛みの場合は、早めにプロの訓練士さんなどに相談しましょう。
しつけの仕方は訓練士さんによっても様々ですので、飼い主さんが納得のいく方法で、愛犬に合ったしつけをしてくれる場所を探してあげてください。