子犬の社会化期と音の関係性
社会化期とは、生後1ヶ月~3ヶ月までの、子犬の中で最も好奇心旺盛な時期を指します。
この時期に子犬を積極的に外に連れ出し、沢山の人や物に触れさせ、様々な音を聞かせることで人間社会に慣れさせていくことが大切とされています。
この時期に社会化が不十分の犬は、やがて訪れる恐怖期を境に警戒心が強くなり、知らない人や動物、物などに対して恐怖心を抱きやすくなります。
また、子犬の時期に外に出さなかった犬は、外の物音に敏感に反応するようになり、結果、成犬時に無駄吠えが多くなる可能性があります。
もちろん、社会化期を過ぎても訓練は十分可能だとされますが、一番好奇心旺盛で柔軟だとされる生後3ヶ月以内での社会化訓練は最も重要だとされています。
しかし、ワクチンが終了していない時期の子犬を散歩や、他の犬との接触行為は危険が伴うためNGとされます。
したがって、ワクチンが終了するまでは、子犬を抱きかかえて外を歩いたり、ベランダから外を見せたりすることで子犬に少しでも外の世界を教え、音を聞かせる必要があります。
生活音に慣れさせるためのCD
ワクチンプログラムがまだ終了していないなどの理由から、外出ができない子犬にはcdなどに録音した音を聞かせることも有効だとされています。
犬の社会化トレーニングの目的で作られたトレーニングCDなども市販されており、利用している飼い主さんも多いようです。
トレーニングCDは、アウトドア編とインドア編に分かれており、様々な生活音が収録されています。
アウトドア編では、救急車、電車、バスなどの音や、犬の鳴き声、風や雷、花火、踏切、エレベーターなど、小さな音から大きな音まで外で聞かれる様々な音が収録されています。
一方、インドア編では、家の中の様々な音が収録されており、掃除機、ドアチャイム、電話音、ドライヤーなどの大きな音から、コーヒーメーカー、電気シェーバー、ライターなどの小さな音まで収録されています。
また、照明スイッチ、スキャナー、プリンターなど、かなりピンポイントな音も入っているため、家の中のありとあらゆる音をこのCDで慣れさせるようにできています。
CDを使ってしつけする際の注意点
cdを使ってのしつけは、以下の注意が必要です。
①徐々に慣れさせる
cdを初めから大きなボリュームで聞かせると、犬が怖がる可能性があるため、最初は小さな音から始め、徐々にボリュームを上げるようにして下さい。
②少しづつ聞かせる
何十分間もずっとcdを流したままにするより、一日数回に分けて、数分単位で何度も聞かせる方が効果が高いと言われています。
③留守中は止める
飼い主さんの留守中にcdを流して聞かせておく行為は、犬が恐怖やストレスを感じる場合もあるため避けましょう。
④こまめに聞かせ続ける
生活音に慣れさせるためには、一時だけではなく、こまめにずっと聞かせ続けることが大切だと言われています。
④cdだけをあてにしない
cdで聞く生活音と実際の音とでは、犬にとって音の聞こえが違う可能性もあるため、効果の程は犬によって異なります。
cdは、あくまでもしつけの補助アイテムと捉え、社会化の促進のためには実際に犬を外に連れ出し、[生の音]を聞かせることが大切です。