犬は怒鳴っても認識していません
犬を叱らなければならない時、その叱り方に悩まれている飼い主さんが多いようです。
叩くのはよくないし、いつもよりも少しきつめの言い方で叱っても、犬には全然効果のないように思え、どう対応したらいいのか考えてしまうようです。
犬からしてみると、多少きつめの言い方や、大きな声で叱られたとしても、飼い主さんの声というのは日常生活の一部にしか過ぎません。
家族の中に日常的に声の大きな人などがいれば、なおさら犬にとってはいつもの事として片付けられてしまいます。
飼い主さんが、一生懸命怒鳴っていても「きょとん」としている犬を見掛けた事はありませんか?犬は言葉の意味自体は理解していませんので、飼い主さんはどうしたんだろうと、疑問を持っているかもしれませんが、叱られている認識はなく怒鳴り声を脅威と感じてもいない場合が多いようです。
犬を叱る時に音を使うメリット
犬のしつけを行う時には、音を効果的に使う事をおすすめします。
犬は耳のいい動物ですので、音にはとても敏感に反応します。
遠くで雷の音がしたり、突風が吹いていたりすると、耳をふせて怖がっている犬がよくいます。普段あまり聞かない音だからこそ、敏感に反応し恐怖を感じる事があるのです。
犬のこの性質を、しつけに上手に利用するようにしましょう。
しつけに使える音
犬が嫌がる音は様々ですが、普段のしつけに使用するのですから、飼い主さんも音の出しやすい物がよいと思います。ご自宅にある材料で、簡単につくれる物を一つ紹介します。
・用意する物:空き缶・小石かコイン・ガムテーム
⇒空き缶の中に小石やコインをいくつか入れて、口をガムテープでフタをします。
空き缶は、アルミ缶よりも厚みのあるステンレス製の物の方がおすすめです。
これを振ったり、軽く投げたりするだけでも効果があります。
その他には、子どものおもちゃの太鼓などもいいですし、飼い主さんが手をパチンと叩く音だけで効果のある犬もいます。
音の効果的な使い方
犬のしつけは何でもそうですが、その場ですぐに対応するのが基本です。
犬が叱られるような行動をしましたら、すぐに音をたてます。犬はきっとビックリして一瞬動きが止まるかもしれませんが、またすぐに同じ行動をする可能性が高いです。
そうしたら、またすぐに音を出します。これを繰り返していくうちに、嫌な音と自分の行動の関連性に気が付き、これをすると嫌な事が起こるという結びつきが犬の頭の中で成立するようになります。
音のしつけで注意する点
大きな音で犬を驚かせちゃ可哀想だからなどと、最初は小さな音で対応する飼い主さんがいます。これでは全く意味がありません。
音を出す時は、最初から一番大きな音が出る方法で行ってください。
また、なんでもかんでも音を使い過ぎてはいけません、犬もだんだんと音に慣れてきてしまいます。本当にこれは絶対にダメ!という時にだけ使うようにしてください。
そして、音だけではなく飼い主さんの行動も大切になってきます。大きな音に一緒に驚くような仕草を見せたり、音だけに頼って顔はニコニコしていたりするようじゃ、いつまでも犬はいけない事を覚えてくれません。
音を出すのと同時に、犬の目をしっかりと見据えて毅然とした態度でいるようにしてください。「ダメ」や「NO」などの言葉を添えるのも更に効果的です。
そのうち音を出さなくても、「ダメ」と言う言葉のみで、犬に伝わるようになっていきます。