犬が嫌がる音の活用法
何度叱っても同じいたずらを繰り返す愛犬に手を焼く場合、叱り方を変えると効果がある事があります。
まず、犬が嫌がる音を用意します。
・空き缶の小石やビーズなどを入れ、「ガシャガシャ」という音がするように細工します
・簡単につぶれやすいペットボトルを用意します
・金属製の灰皿やトレーを数枚用意し、カスタネットの要領で重ね合わせます
このいずれかを用意し、愛犬がいつも過ごす場所、いたずらをする場所に隠しておきます。
愛犬がいたずらをする素振りを見せたら、そっと手に持ち、愛犬に気がつかれないように大きな音でかき鳴らします。
例えば、ゴミ箱をあさるいたずらを繰り返す愛犬の場合
・愛犬がゴミ箱へ近づきます
・ゴミ箱へ手を掛けた瞬間に、大きな音をかき鳴らします
・この時、飼い主が少し離れた場所で、ソファーに座るなどしたままで、素知らぬ顔をしています
・愛犬が、再度ゴミ箱に手を掛けたら、同じ様に大きな音を立てます
・音の原因となっているアイテムを飼い主がもっている事、飼い主が鳴らして知る事を愛犬に気がつかれてはいけません
この行動を何度か繰り返すうちに愛犬は
・正体不明の敵がいる
・ゴミ箱に触れると大きな不快な音がして、危険が生じるかもしれない
と考え、自らゴミ箱に触れないようになります。
成功の秘訣は「正体不明」と認識させる事です。飼い主が作為的に音を鳴らしていると気がつくと、まるで効果が無くなってしまうので注意が必要です。
犬が嫌がる音を活用した製品
愛犬を屋外で飼育している、日中の留守中の無駄吠えが問題というように、飼い主の目が届かないタイミングでの問題行動、特に無駄吠えの解消には、専用の製品の活用が効果的です。
海外メーカーの製品で、日本でも数十年発売が続いている無駄吠え防止用首輪があります。
この首輪は
・愛犬の首に常時つけておきます
・愛犬がある程度の大きな声で鳴くと、センサーが音を感知します
・感知と同時に内臓の噴霧器から愛犬の苦手なスプレーが発射されます
・中には、音を感知すると愛犬の嫌がる音がする製品もあります
この首輪も「正体不明」の原理を活用し、愛犬自身に警戒心を抱かせ、むやみに大声で鳴かないようしつける方法です。
首輪が負担になる場合は、壁面の取り付ける製品も市販されています。
また、飼い主の手元に部ブザーのボタンがあり、音の操作が出来る製品もあります。
犬はその習性から「正体不明」の存在をとても嫌がります。その上「臭い」も「音」もしないものの、突然現れ、不快な音をさせる存在ともなれば尚の事です。
愛犬のしつけにと何度も叱っても、なかなか効果が出ない場合、次第に飼い主がストレスを抱え、最終的にはしつけを諦めてしまうこともあります。
しかし、しつけを諦めてしまうと、愛犬の後始末に追われるようになりますますストレスが増大します。
言葉で叱ってもなかなか効果がない場合、小さな子供が無理なく愛犬のコントロールが出来るようにするためには、家庭にある道具で簡単に制作出来る「正体不明」の敵を作りだし、活用してみましょう。
犬のしつけに活用出来る音
犬のしつけには、正体不明の犬の嫌がる音を活用し、効果的な対処を行いましょう。
犬が無駄吠えをする理由
犬がずっと吠え続けていることを[無駄吠え]と呼びます。
しかし、人間から見れば無駄に吠えているように見えても、犬からすれば理由があって吠えています。
犬は、何かを[要求]する時や[警戒]する時に吠えることが多く、他にも[ストレス]や[寂しさ]からも吠えることがあります。
中でも特に飼い主さんの頭を悩ませるのが[警戒吠え]ですね。
警戒吠えは、来訪者を知らせる玄関のチャイムが鳴った時や、知らない音、大きな音、散歩中に別の犬に合った時などによく見られます。
警戒吠えをする理由は犬によって様々ですが、吠えるのを防ぐためには吠えている原因となる物を取り除くことが大切です。
音に慣れさせることも大切
警戒吠えの原因の一つに、犬の社会化不足が指摘されています。
犬の社会化とは、子犬の頃から様々な物を見せたり音を聞かせることで、犬を人間社会に慣れさせることを言います。
社会化期と呼ばれる、生後1ヶ月~3ヶ月の最も好奇心旺盛な時期での社会化訓練が望ましく、積極的に子犬を外に連れ出す必要があります。
しかし、社会化に望ましい時期には、まだワクチンプログラムが終了しておらず、大切な時期を家の中だけで過ごしてしまう犬も多いようです。
社会化不足の犬は、警戒心や恐怖心を抱きやすくなり、先述の通り、知らない人や散歩中の犬、大きな音や聞き慣れない音などに敏感に反応して吠えるようになります。
警戒吠えをなくしていくためには、今からでも犬を積極的に外へ連れ出し、様々な物を見せ、音を聞かせることが大切です。
音でしつけをするグッズ
犬は音に対して敏感に反応するため、音を利用したしつけグッズなどもいくつかあります。
①ガシャン缶
ガシャン缶とは、空き缶の中に小銭やビー玉などを入れて使用する、手軽に作れるしつけグッズです。犬が吠えた際に、ガシャン缶を思い切り鳴らして犬を驚かせることによって、「吠えると嫌なことが起こる」と犬に関連付けをさせていきます。
②無駄吠え防止首輪
音や振動、電気などによって犬の無駄吠えを止めさせます。警告音を鳴らした後に電気ショック(罰)を与えるということもできるため、犬に「これ以上吠えたら怖いことが起こる」と教えることができます。しかし、電気ショックは犬に多大なストレスをかけることが多く、また、電気に慣れて効かなくなってしまうこともあるようです。
③超音波
犬が吠えるのを感知すると超音波を発生させる機械があります。無害な音波ですが、犬にはとても嫌な音がするため、吠えるのを止めさせる効果があるようです。
④クリッカー
犬を褒める際に使う物です。もともとはイルカの調教に使われていたもので、犬のしつけにも有効とされます。犬が正しい行動をした際にクリッカーを鳴らして褒美を与えることで、犬は「あの音が鳴ると良いことがある」と覚え、無駄吠えのしつけをする際にも有効です。
⑤犬笛
犬笛は、遠くに行った犬を呼び戻す際に使われるものですが、犬笛を吹いた後に褒美を与えることで、犬笛を吹く=「良いことが起こる音」と、犬が認識することで服従訓練なども可能になります。
しつけグッズのみに頼らない
犬に不快な音を出すことによって無駄吠えを防止する方法は、メリットもあればデメリットもあります。
メリットは即効性が高いこと。デメリットは長続きしないことです。
初めはとても効果を発揮しますが、同じ音を聞けば犬が慣れてしまうため効果も少なくなります。
しつけグッズは上手に使えばとても役立ちますが、グッズはあくまで補助的な物と考え、基本は服従訓練(お座り、伏せ、待てなど)を行い、リーダーシップをとることが大切です。