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成犬から飼い始めることも多い
多くの場合、子犬のときから飼い始めることになりますが、中には成犬からという場合もあるでしょう。きっといろいろと訳ありの事情で、その成犬を飼うことになったはずです。
元はよその家で飼われていたとか、自由気ままな野外生活をしていたとか、あるいは施設に保護されていたとか、とにかく、その成犬たちなりの過去を持っていることでしょう。
どこかの飼い犬であった成犬であれば、トイレのしつけがそれなりにされている場合もあるでしょうが、そうでない成犬を飼わなければならなくなることがあるかもしれません。
過去に失敗した成犬をしつけ直す
ひょっとすると、中には子犬のときから飼いながらも、トイレのしつけに何度も失敗してきたという飼い主さんもいるかもしれません。
子犬ならわかるけど、成犬ともなるとしつけが難しいのではないか、と不安になる人も少なくはないでしょう。
でも、心配することはありません。成犬であっても、トイレのしつけはちゃんとできるのです。
今回は、成犬のトイレのしつけについてみていきましょう。
成犬を飼い始めるときの注意点
子犬であれば、きっとあなたが初めての飼い主さんということがほとんどでしょう。ですから、あなたの家の環境にもすんなりと入っていくことができるはずです。
ところが、よその家で飼われていたり、施設に保護されていたりした成犬であれば、あなたの家の環境になじむのに少し時間がかかる可能性があります。
その成犬は、今まで暮らしていた環境から急に引き離されて、あなたの家に連れて来られることになったのです。元の飼い主さんとの別れがあったかもしれませんし、優しくしてくれた人たちや仲間たちとの別れがあったかもしれません。
突然、自分の知らない場所に連れて来られ、知らない人たちに囲まれ、そして自分のにおいのしない場所で暮らさなければいけなくなるのです。
ですから、そうした犬の不安をまずとってあげることの方が、しつけより何よりも前に必要となるでしょう。
まずは犬の専用スペースに慣らす
まずやらなければならないことは、その犬が暮らす専用のスペースを作ってあげることです。
室内であればサークルやケージで囲い、また屋外であればサークルやフェンスで囲って、その中に寝床やトイレの場所を作ってあげることです。
その場所は、なるべく静かで、多くの人の視線が集まることのないようなところがいいでしょう。
しつけをする前だと、飼い主さんが決めた所定のトイレ場所で排泄してくれるとは限りませんが、最初は慣れてもらうことが目的ですので、少しだけ我慢してあげてください。
犬が新しい環境に慣れたところで、しつけを始めるのがいいでしょう。
もちろん、なかには新しい環境に即座に慣れてくれる犬もいますし、また特別にトイレのしつけをする必要がないような犬もいます。あなたの家族の一員となった犬の実情に合った対応をすることが大事なのです。
成犬にトイレをしつけるときの注意点
よそで飼われていたかもしれない成犬ですので、すでにいろいろなトイレ習慣をしつけられていることもあります。
中には外で排泄するようにしつけられている犬もいることでしょう。
そうした犬を室内で飼おうとするときには、トイレのしつけにはより根気と時間が必要になることは間違いありません。
でも、決して不可能というわけではないので、優しく愛情を持ってしつけてあげるようにしてください。
健康な成犬の場合、排泄は1日に2回くらいになります。子犬と違って、随分少なくなっていますし、普通は朝、夕の食事後か運動後にする場合が多いでしょう。
室内で飼う場合には、排泄回数が2回より少し多くなることもありますが、それほど頻繁にあるものでもありません。
もしあまりにも回数が多い場合には、病気の可能性があるかもしれませんので、注意してあげるようにしてください。
いずれにせよ、成犬は、子犬と違って、それなりの長い過去の中で作られたトイレ習慣を持っていることがありますので、それを新たなものに変えるのには手間がかかることは間違いないでしょう。
何度失敗してもしつけは必ずできる
そうした成犬であっても、愛情と忍耐を持って接してあげれば、新しいトイレ習慣をしつけることは可能です。ですから、決してあきらめないようにしてください。
子犬のときから飼ってきて、トイレのしつけに何度も失敗しているケースでも同じです。成犬になっているとしても、トイレのしつけは不可能というわけではありません。
とにかく忍耐強く、トイレトレーニングの基本に従ってしつけてあげるようにしてください。
成犬であっても、トイレのしつけはできるのです。
成犬でもトイレのしつけはできる
子犬の場合、トイレのしつけはできるだろうけど、成犬の場合には、ちょっと難しいのでは? そう考える人も、中にはきっといることでしょう。
でも、大丈夫です。成犬であっても、トイレトレーニングをすることで、決まった場所のトイレで排泄ができるようになります。
ですが、それまでに作られてきたトイレ習慣がそれぞれの成犬にはありますので、新たな習慣を身に着けさせるのには少し時間と根気を要するかもしれません。
長くて3カ月くらいかかることもありますが、とにかくしつけはちゃんとできますので、心配しないようにしてください。
成犬のトイレトレーニングの基本姿勢
トイレをしつけるためのトレーニング方法は、成犬であっても、子犬の場合とまったく同じです。
その基本姿勢もまったく変わりません。とにかく、叱るのではなく、ほめてしつけるという姿勢で臨むようにしてください。
うまくいったらほめてあげて、たとえ失敗しても叱ってはいけません。それが犬のトイレトレーニングをするときに最も重要なことです。
成犬のトイレトレーニングの方法
健康な成犬であれば、1日2回程度の排泄をします。普通は食後や運動の後が多いでしょう。室内で飼う場合には、もう少し多くなるかもしれませんが、数回程度というのが成犬の平均的な排泄回数となります。
① トイレトレーニングをする際には、まずは犬の便意を読み取ることが重要です。犬が排泄をしようとしたときに、タイミングよく、所定のトイレに犬を連れて行くようにしなければなりません。
犬がそわそわとして落ち着きがなくなったり、後ろ足の方を気にしたり、また床や辺りのにおいをクンクンと嗅ぎ始めたとしたら、それが便意を催しているサインです。それを見逃すことなく、犬をすぐさまトイレのところまで連れて行くようにしてください。
もし排泄をし始めていたとしても、抱きかかえてトイレのところまで連れて行ってあげてください。大型犬なら重くて大変かもしれませんし、排泄物の掃除もつらいかもしれませんが、我慢してください。
② 所定のトイレのところで犬がうまく排泄し始めたなら、「ワンツー、ワンツー」、「シー、シー、シー」、「ピー、ピー、ピー」などの「指示語」を発して、犬に掛け声をかけてあげるようにしてください。そうすると、犬は安心して用を足すことができるようになります。
③ 犬が所定のトイレでうまく排泄することができたら、「いいこ、いいこ」とか「よしよし」とかいったほめ言葉を掛けながら、撫でたりして、ご褒美をあげるようにしてあげてください。
そうしたことを繰り返すうちに、犬はその場所で排泄するとご褒美がもらえると記憶して、次第に自分から積極的に、その場所で排泄しようするようになるはずです。
失敗しても決して叱らない
もし犬がトイレをうまくできなかったとしても、決して叱らないでください。大声を出したり、不機嫌な態度を見せるということは絶対にしないでください。
黙々と、何事もなかったように排泄物を片付けるようにしてください。成犬だと量が多くて大変かもしれませんが、我慢してください。
そのときに不満な感情を露わにしてしまうと、犬が排泄行為そのものをよくないことと感じてしまい、排泄自体を我慢してしまったり、隠れて排泄したりするようになって、トイレトレーニングがより難しくなってしまいます。
根気よく時間を掛けてしつける
トイレトレーニングをうまく成功させるためには、最初のうちはトイレの面積を大きく取ってあげるのがいいでしょう。
トイレシート(ペットシーツ)を敷く面積を広く取って、その上のどこで排泄しても成功としてあげれば、成功率を高めることができます。
犬も慣れてくれば、次第に決まった範囲内で排泄をするようになりますので、不要な部分のトイレシートを取り除いていけますので、次第にコンパクトなトイレにすることができます。
成犬の中には、元の飼い主にしつけられたトイレ習慣と新しい飼い主が望むそれとが近いことから、比較的短時間のトイレトレーニングで済む犬がます。一方、それまでの生活で形作られてきたトイレ習慣があるがために、トレーニングに時間がかかってしまうという犬も少なくないでしょう。
中には、子犬のときから飼い始め、何度もトイレトレーニングを試みたものの、その都度失敗してきたという成犬もいるかもしれません。
一般的に、成犬のトイレトレーニングは、子犬のそれより根気と時間が必要となるかもしれません。
でも、忍耐強くしつければ、成犬であってもちゃんとトレーニングができますので、焦らず根気強く、しつけてあげるようにしてください。