子犬の甘嚙みを放置した結果が本気噛み
犬は本来同じ群れで暮らす仲間には危害を加えないという習性があります。現代の犬でいうならばそれは共に暮らす家族です。家族の対しては、たとえ相手が小さな子どもであっても決して危害を加えたり、攻撃をしたり、威嚇をするという事が無いはずです。
しかし、中には家族に向かって咄嗟に噛みつく、威嚇をしたうえで本気で噛みつく犬もいます。
このような犬に共通してみられる傾向は、家族との関係性の構築が出来ていない事、群れという認識がない事です。
このような場合、家族がどんなに厳しく叱っても、関係性が構築されていないのですから全く効き目がありません。それどころかかえって反発し、より強い攻撃にでる事さえあります。
愛犬は家族を本気で噛む背景には、子犬の頃の甘嚙みの対処が不十分であったことも理由に挙げられます。
本来の甘嚙みは
〇乳歯が生え変わる時期にみられる、一過性の行動です
〇親、兄弟とのじゃれ合いを通じて、噛みつく時の力加減を身に付けます
〇成長と共に次第にこの行動は見られなくなります
〇飼い主に噛みつく場合は、きちんと叱り、遊びの最中であっても噛みついてはいけない事を教えます
このように対処をします。大抵の場合、生後3カ月ほどで自然と見られなくなります。
しかし、この甘嚙みを
〇飼い主が無条件で受け入れてしまう
〇甘嚙みをされても、叱らずにやり過ごしてしまう
〇叱り方を間違える事でかえって反発してしまう
〇遊びの一環だと勘違いさせてしまう
と間違えてしまうと、成長と共に力が強くなり、次第に自己主張の方法の一つとして利用するようになってしまいます。
次第に、愛犬が気に入らない事、苦手な事を飼い主がしようとすると、噛みつく、噛みつく素振りを見せて威嚇するという誤った使い方をするのです。
このような場合は、飼い主はひるむ事なく毅然とした態度で、しつけ直しに取り組む必要があります。
本気噛みの改善方法は、完全服従
愛犬が飼い主に噛みつくという行為の背景には
〇飼い主よりも優位に立っているという認識
〇威嚇をする事で飼い主が引き下がるという誤解
〇威嚇する事で、自己主張が通るという誤解
があります。この仕組みを改善するためには
〇飼い主が床に足を伸ばして座ります
〇飼い主の両足の上に、愛犬を仰向けに寝かせます
〇この時、愛犬の頭が飼い主の爪先側に向くように寝かせます
〇愛犬がじたばたと暴れても、手を緩めずにそのままの姿勢を保たせます
〇愛犬が落ち着いたら、ゆっくりと撫で、そのままの姿勢を自ら維持させます
この方法を何度か繰り返しているうちに、愛犬に服従心が芽生えます。本気噛みの習性がある犬の場合、仰向けにされる事は大変な苦痛であり、なかなかじっとしている事が出来ないでしょう。しかし、ここで中途半端に手を緩めてしまうと、その後の改善策はますます大変なものになります。
愛犬がじっとしていられるようになるまで、決して手を緩めない事を徹底しましょう。
他人に危険を及ぼす可能性を常に認識
家族に本気で噛みつく習性がある犬の場合、咄嗟のタイミングで他人を攻撃することがあります。トリミングや動物病院など非日常の場面で、特有の緊張感を伴う状況になるとその危険度が高まります。日ごろそのような問題がある場合は、サービス利用にあたって必ず事前の申告をしましょう。