口コミで選ぶ、犬のしつけ本
ハウツー本を購入するとき、口コミやレビューはとても参考になるものです。特に犬のしつけは、実技を言葉で説明しているのですから、言葉からその行動を想像し、実践で身に付けていくという工程が必要になります。
専門家であれば、予備知識もあり言葉による説明も簡易に感じることでも、初めて犬を家族にとっては、
〇そのイメージがわかない
〇本の通りに犬が行動してくれない
〇本に書かれていないような反応を犬がする
などと実践の場で途方に暮れることもあります。購入前に内容を確認するにも、しつけに関する本は内容が多岐に渡り、なかなかどの本が自分にあっているのかを見極めるのは難しいでしょう。
そのような時は、ぜひ口コミを参考に選ぶという方法がお勧めです。
犬のしつけ初心者に絶大な人気は「いぬのきもち」
ベネッセの発行する「いぬのきもち」は定期刊行されるムック本です。内容は犬の飼育初心者へ向けた内容が中心で、写真やイラストを多用し大変わかりやすく書かれています。この本の特長は、専門家からの一方的なしつけ手法の説明にとどまらず、飼い主側からの意見が特集記事として繁栄されている事です。
こんな悩みがある、こんな時どうしたらいいかと飼い主の悩みは意外に似通っています。その内容を特集記事でまとめたうえで、専門家のアドヴァイスが掲載されるので、悩みを解消し、その対処法を身に付ける事が出来ます。
このような取組みが、飼育初心者に大変明確で、好評を得ています。今や書籍の発行はどのジャンルにおいても苦戦しがちだと言われています。ペット関連の月刊誌も休刊が相次いています。しかし、このいぬのきもちは発行以来安定した人気を誇り、犬の飼育初心者のバイブルを言われています。
ぜひ、これから犬を飼いたいと考えている方は、犬を迎え入れる前にこの本を一読してみましょう。事前に読んでおくことで、
〇飼育開始にあたって準備すべき用品
〇室内のサークルの設置場所、方法
〇食事の世話
〇トイレの世話
〇病気や体調不良
など家族に迎え入れたその日から始まるお世話に関する予備知識を身に付けて置く事が出来ます。
しつけに失敗したと感じたら、読むべき一冊
生後間もなくまだよちよちと歩く時期は、室内のいたずらも大抵の事は大目に見てしまいがちです。しかし、この時期、子犬には社会化、飼い主への服従訓練など様々なしつけをしておかなければなりません。
また、子犬の頃は無駄吠え、噛みつき、威嚇といった行動が全く見られず、飼いやすいと感じていた愛犬も、成長と共に自我が芽生え、次第に問題行動が目立つようにもなります。
犬のしつけは、子犬の時期に限った事と考えてしまいがちですが、問題行動を放置すると、飼い主自身がストレスを抱える事になるだけでなく、周りへ危険を及ぼすこともあります。
愛犬の問題行動が気になり始めたら、ぜひこの著書を読んでみましょう。
「犬のモンダイ行動の処方箋 ―ケーススタディでわかる犬のしつけ―」中西 典子著
この本は、問題行動別に対処法を調べる事が出来ます。その為、気になる項目、優先順位の高い項目から読み進める事が出来る点がおすすめの理由です。
愛犬のしつけはいつからでもやり直せるものです。ぜひ一読して欲しい一冊です。
犬のしつけに音が有効
犬はとても耳の良い動物です。
犬の聴力は人間の4~6倍、高音域では16倍とも言われています。
また、音の聞こえる距離は人間の400倍、音を聞き分けられる方向は人間の16方向に対して犬は32方向です。
これだけ耳の良い犬ですので、音にはとても敏感です。
人間以上に様々な音が聞こえてくるため、犬にとって苦手な音もたくさん耳に入ってきてしまいます。
犬が日常の様々な音にびっくりして吠えたりするのはよくあることです。
飼い主さんとしては困ったことですが、それだけ犬の耳が敏感であるということなのです。
このような「音に敏感である」という犬の性質を利用して、しつけに犬の嫌がる音を使うことはとても有効です。
犬が悪いことをした時などに犬の嫌がる音を鳴らして、犬にストップをかけることができます。
例えば、犬の困った行動に無駄吠えがあります。
無駄吠えをなくすためのグッズなども売られていますが、中には犬に苦痛を与えてしまうものもあります。
一方、音でしつけができれば犬に苦痛を与えずに言うことを聞かせることができます。
体罰などを与えなくて済みますので、しつけをする上でのストレスがより軽減できるという訳です。
犬のしつけにおいて効果的な音の使い方
最近では犬のしつけに音を利用する専用のグッズやアプリなどもたくさん見られますが、最も手軽に始められるのが手を叩くことです。
犬は急に大きな音が鳴るのを嫌がります。
悪いことをした時に「パン!」と手を叩くと、「これをすると嫌な音が鳴る」ということを覚えて、次第にその行動をやらなくなるという訳です。
ただし、手を叩く音は飼い主さんが直接出す音ですので、上手くやらないと犬が飼い主さんのことを嫌いになってしまう恐れがあるため注意が必要です。
手を叩く以外の方法としては、空き缶の中にコインなどの金属を入れたもので「ガシャガシャ」という音を出すのも良いです。
これをたくさん作って家のあちこちに置いておくと、犬が悪いことをした時にすぐに手に取って鳴らすことができます。
コツは、犬に見えないように鳴らすことです。
手を叩くのと同様に、飼い主さんが鳴らしていると分からせないように背中側に隠すなどして鳴らしましょう。
鳴らすタイミングは、犬が悪いことをした瞬間にすぐに鳴らすようにします。
タイミングがずれていると、犬は「悪い行動」と「嫌な音」を結び付けて覚えることができません。
それから重要なのが、褒めるタイミングです。
犬のしつけでは「できたらたくさん褒める」というのが鉄則ですが、「ガシャガシャ」音にびっくりして大人しくなっても、その時はまだ褒めないでください。
褒めるのは犬が音に反応してやめた時ではなく、自分の意志でその行動をやめた時です。
音に反応してやめた時に褒めてしまうと、「ガシャガシャ」音が鳴ると褒めてもらえると勘違いする可能性があります。
もう一つ注意点があります。
それは、「音を多用しない」ということです。
何でもかんでも犬の嫌な音でしつけると、犬もその音に慣れてしまいます。
飼い主さんの声や表情で言うことを聞かせるのを基本として、どうしても止めさせたい行動があるときにだけ、音を利用するようにしましょう。
褒めるしつけの時にも音が使える
犬の悪い行動を止めさせる、つまり「叱るしつけ」に音が利用できるというお話をしてきましたが、「褒めるしつけ」にも音は利用できます。
犬が好きな音を使ったクリッカーというグッズが売られています。
クリッカーは、犬に芸を覚えさせる時などによく用いられています。
褒めるしつけの場合は、クリッカーの音とご褒美などをセットで覚えさせていきます。
そうすることで、「クリッカーが鳴ると良いことがある」と覚えさせるのです。
訓練していくと、クリッカーが鳴っただけで芸をするようになります。
犬を生活音に慣れさせることも重要
犬には日常生活の中にも苦手な音がたくさんありますが、生活音には慣れさせる必要があります。
嫌な音に慣れさせるのは人間の都合ではありますが、一緒に暮らしていく上では必要なことです。
犬の嫌いな音にはどんなものがあるのでしょうか。
犬は自然界にはないような機会音や、急に出る大きな音が苦手です。
また、相手が見えない電話の声やインターホンなども苦手なことが多いです。
これらの音を聞くと吠えると言う犬も多いのではないでしょうか。
そんな時は優しくなだめてあげて、「危険な音ではない」、「大丈夫」と言うことを少しずつ覚えさせてください。
犬が生活音に慣れてから、音によるしつけを始めてみてください。
しつけに使う「嫌な音」は、「生活音ではない音」と認識させるようにしましょう。